2010年7月14日水曜日

5円玉の穴を覗いたことありますか? (ひとみ径のおはなし)

子供の頃、5円玉の穴を覗いたことがありますか?
覗いたことが無い方は、いますぐ5円玉を手にとって、目に近づけてください。
小さな穴から向こうが見えると思います。

双眼鏡選びでたいへん重要なポイントには、「射出ひとみ径」を挙げられます。
これは、双眼鏡のメーカーに関係なく、光学的な理由から光を通すことができる
輪の直径のことを意味します。
射出ひとみ径は、対物レンズの直径(mm)を倍率で割ることで求めることができます。

さて、5円玉の穴の話に戻ります。
覗いた時に穴の大きさにストレスを感じましたか?
5円玉の穴の直径は5mmです。

穴の大きさが大きいほどストレスは少なくなります。
また、穴が小さいほどストレスが強まります。

先ほどお話しした「射出ひとみ径」と5円玉の穴は、覗く上ではほとんど同じような
関係です。
5円玉の穴は、穴の大きさによって入ってくる光の輪の直径が制限され、
「射出ひとみ径」は、光学的な理由により光の輪の直径が制限されます。

つまり、射出ひとみ径が小さければ、ストレスが強まりじっくり見ることが厳しくなり、
逆に射出ひとみ径が大きければ快適に見ることができます。
さらに、穴が大きいことは、入ってくる光の量も多くなるので結果的に明るくなります。

7倍の双眼鏡で50mmの対物レンズがついている場合、射出ひとみ径は 7mmです。
10倍の双眼鏡で50mmの対物レンズがついている場合、射出ひとみ径は 5mmです。
5mmの感覚といえば、5円玉の穴を覗く感じに近いです。

双眼鏡の中で、5~7mmの射出ひとみ径がある場合、レンズとプリズムの
品質が高ければ、たいへん明るくストレスの少ない快適な状態を期待できます。

そう考えると シュタイナー 8x56 Predator C5 は、8倍のパワーでありながら、
ひとみ径は 7mm をキープしていますので、10万円超えるのも納得してしまいます。

オークションサイトで双眼鏡を探すと、十分な倍率の双眼鏡が一万円未満で
たくさん販売されています。

対物レンズの直径(mm) ÷ 倍率 で考えるとわかりやすいのですが、これらの多くで
主流となるひとみ径は 2.1mm がほとんどです。

安値で敷居が低く感じますが、5円玉の穴が小さく感じる方にはお勧めしません。

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